ヤマハ系スクーターのFI灯が消えない件

これ書いてるの23日です。年末大詰めの日曜日。先週16日に続き、いつも贔屓にしてくださってる近くの新聞販売店さまのバイクを点検整備しました。日曜日は夕刊がないので、朝刊終わってからの20時間あまり、車体をお預かりしやすいのです。販売店のバイク達はお正月もバリバリ働きますので、12月のこの時期はまとめて点検祭りです。

これ以上摩耗したらいかんですよ、ってぐらいすり減ったプラグの交換。

エアフィルター交換。ヤマハの新型ギアは乾式です。旧型ギアが湿式で、湿式なら洗浄再利用OKなのですが、乾式は基本駄目です。洗浄再利用はあくまで非常時だけ。エアフィルターとか安いですからできるだけ新品を。

タイヤ交換。九州といえどそろそろ雪が降る季節なので、特にリヤはちょっと早めですが交換します。

写真ないですが、あとはブレーキ、オイルと電灯チェック。プレスカブならチェーン弛みも。ここら辺までがいつもの点検整備風景でした。

ですが今回はFI灯が点灯しっぱなしな個体が出てきて、少し苦労しましたのでご紹介します。

いまさらですが、最近の新車は原付にすら乗用車と同じ「自己診断システム」が実装されています。キーをONにするとECU(車載コンピュータ)が作動して、バッテリー電圧や各センサーに異常がないかチェックします。キーONにするとメーター部分のFI灯(エンジンマークが付いたランプ)が点灯するのは、この自己診断システムを搭載している車体です。キーONにするたび点灯して2秒ぐらいで消えるのは正常に作動してる証拠で、FI灯の球切れチェックも兼ねています。キーONにしてすぐエンジン始動する人が多いですが、自己診断システムの作動中(FI灯点灯中)に同時にセル回すのは、バッテリーを痛めますのでFI灯が消えてからセル回しましょう。

自己診断システムで異常が見つかった場合、FI灯は点灯したり点滅したりします。その点灯や点滅の仕方などでどこが悪いか知らせてくれます。といっても人語で話してくれるわけではないので、悪い個所を知るにはバイク屋といえどもサービスマニュアルや診断ツールが頼りです。

ヤマハUA08Jニュースギア。ギアシリーズ4代目の現行最新モデルです。去年発売されて、近くの新聞販売店でも導入数が増えています。

長い前振りになりましたが今回、これのFI灯が点灯状態のまま、でもエンジンはかかって普通に走る、という状態になっていたので、これの原因を調べるというご依頼が今回追加されていました。

ヤマハ系のFI灯点灯(消えない、でも普通に走れる)原因は、多くの場合が「スピードメーターワイヤー切れ」です。車速パルスが検知されないので点灯。ワイヤー交換するなどしてスピードメーターが少しでも動けばFI灯は消えます。でも今回は最初からスピードメーター動いてましたので違う。

次に多いのがカプラーのゆるみとかはずれです。車速センサー含めて10カ所あまりのセンサーのカプラ全部チェック。でも見た感じでは異常なしです。

こうなると診断ツールの出番です。

しかし問題が。

私、UA08Jギアに対応した診断ツールをまだ導入していません。だってお高いんですものorz

「自己診断システム」はギアシリーズでも3代目(UA06J)から導入されていて、そっち用の診断ツールは持ってるのですが、4代目はO2センサー追加により診断ツールもそれ用のが必要です。

左が3代目までの診断ツール、右が4代目も対応してる診断ツール。今回は仕方ないので、取引先のバイク屋さんからお借りしてきました。

ECUに繋いで診断すると「O2センサー異常履歴が残ってますよ」の表記が。最初のチェックの時、O2センサーのカプラーが緩んでたので嵌めなおしてたんですが、他センサーが原因ならカプラ嵌めなおしでFI灯は消えるはずなのですが、今回の様なケースではエンジンかけなおそうとバッテリー外そうと、ECU内の履歴は消えてくれないようで。結局診断ツールを使って履歴を削除。それでようやくFI灯も消えてくれました。

4代目ギアを使ってるユーザーさんが増えてますので、このケースは今後も増えるはず。

これは結局、また診断ツールを買えということかヤマハさん。この商売じょうずめ。

今日の回収事例

佐賀市で引き取り依頼をこなしました。

SA24JヤマハBJでした。自己診断システムはないですが、シンプルでパワフルなとても良いバイクで故障も少ないです(なんとなく八つ当たり。意味不明)。ナンバープレートの手続きはご依頼主様ご自身で既に済まされていました。