綺麗に見えるバイクほど買い取り難しい理由

20日午前中は、もともと福岡市と那珂川町とで2件回収予定でしたが、もう1件飛び込み依頼があり、結果的にCA44Aアドレス50、AF55スクーピー、AF62ディオの3台を無料引き取りしました。3台ともエンジン不動、それぞれ欠損パーツあり。廃車手続きも3台とも承りました。

今日ご紹介する事例はAF55スクーピーです。この車体は、お客様が現在お勤めの会社に留置かれていたので、平日お昼休みに待ち合わせて回収、というケースでした。その際にお客様曰く「普通に乗っていたが、セルでエンジンかからなくなり、キックでも固くて始動できなかったので、まずはバイク屋さんに修理を頼もうとしたが、見積もりが結構な金額だったので断念した。」とのことでした。

エンジンは現在はかからないですが、キック踏んで音で判断する限り特別な問題はなさそうです。キックは確かに固いですが、一応下ります。圧縮も充分そう。エンジン掛けるだけなら、バッテリー入れ替えるだけで済む可能性があります。

外観もぱっと見た感じ、割れたり欠けたりしてるパーツはありません。タイヤの目も充分。足回りがちょっと錆目立ちますが、写真では新車のように綺麗にみえるかもです。

この程度のクラスなら、買い取りをご希望される方もいらっしゃいます。でも今回は無理でした。皆さんは何が問題だと思われますか?

エンジンかからない、という点は、少なくとも当社ではあまり問題ではありません。再販するときは、エンジンは必ずオーバーホールして、試乗して調整を繰り返すからです。査定時にエンジンかかったしてもそれは同じです。なので異音が無い限り、査定時にエンジンかからなくても「エンジンかかっていると同じ扱い」とします。

今回一番の問題は、全カウル(外装)色塗りなことです。お客様曰く「中古で買った時からこの色だった」そうですが、AF55スクーピーでこの色はありません。見た目判断ですが、塗料はウレタン系が使われ、エアスプレーのようなもので塗られています。たぶん街のバイク屋さんで塗ったものだと思われます。買い取り査定において、色塗りされたパーツは残酷ですが「無いもの扱い」とします。つまりこの車体の場合は、外装が全部無い、裸の状態と判断します。

エンジンの中の部品交換は、交換作業は難しいし手間もかかりますが、部品自体はそれほど高いものではありません。バイクの外装は、取り換え作業は簡単ですが、安い社外パーツでもかなり高額です。なので、査定時はエンジンよりも外観を重視されるのです。

買い取り査定の話はいずれまた。今回はたまたま外装が全ペイントの車体が手に入ったのでこんな話書きましたが、この車体のお客様が買い取り希望されたわけでは決してありませんのでご理解下さい。