フェイルセーフ

今日は糸島市と福岡市で引き取り依頼を承りました。

CA1PAレッツ2とSA36Jジョグを引き取りました。どちらもエンジン不動です。

レッツ2はリヤタイヤも固着していて、容易に動かせず。ご依頼主様によると、「バイク屋さんで修理見積したら結構な金額だったので処分することにした」とのこと。

とにかくタイヤが回らないので、バイクを家の外まで運ぶのも大変。

ご依頼主様は、「一緒に手伝う」とまでおっしゃって下さいました。が、私もプロです。丁重に「こういうケースはよくありますから。大丈夫ですよ。」などとかっこよく言いたい所です。

というか言ってしまいました。

実はよくあるブレーキの固着かと思っていました。ブレーキシューが錆びたり腐食膨張したりで、ドラムに固着するってケースは実際よくあります。これは簡単に解除できます。ブレーキワイヤー端のネジ緩めて、ハンマーでドラムをちょっと叩く、これだけでタイヤが動く、お客様はそれで喜んで下さいます。

でも、今回は全っ然ビクともせず。

がっかりです。

結局、リヤタイヤ持ち上げてヨタヨタしながらトラックに積み上げました。カッコ悪(´・ω・`)

 

それはともかく、このままでは積み下ろすのも一苦労なので、店に帰ってトラックの上で修理します。

ブレーキの固着でないなら、次に考えられるのはクラッチの異常です。スクーターの無段階クラッチは、エンジンの回転数が一定以下の時はバネで閉まって解除状態、回転数が一定以上になるとバネの力に抗して接続状態となります。今回はそのバネがおかしいはず。

キックケース開けた途端、破断したバネが転がり落ちてきました。

これで決まりです。

こういう、どこか壊れるにしてもブレーキがかかる方向に壊れる事、いわゆるフェイルセーフという奴ですが、この仕組み考えた人は頭良いです。

頭良いのに、「こういうケースはよくありますから、大丈夫ですよ。」などと何も考えず安請け合いする人のことまで考慮されてないのが非常に残念なところで(´・ω・`)。