モデル概要
ホンダのスクーター、ディオシリーズの3代目、通称「ライブディオ」。その中で、フロントブレーキがディスク仕様のものがこのAF35型になります。空冷2サイクルエンジンを搭載。発売は1994年から。20年以上経ったモデルですが、今でも現役で走ってる姿をよく見かけます。同じAF35型でも3つのバージョンが存在。大半が「SR」、マイナーチェンジで途中から登場した「無印」、それと若者から良い年した男性まで大人気の「ZX」です。
車台番号はこちら。
乗った状態で左側。ステップ(足を載せるボード)よりも下、アンダーガード側面に小さい小窓があって、そこから覗いてるプレート部分に刻印されています。AF35-OOOOOOO。車名:ホンダ、型式A-AF35(規制前)またはBA-AF35(規制後)、原動機型式:AF34E、排気量:49cc。
【補足1】
ホンダスクーターはAF30タクト以降の2ストスクーターには、センタースタンドロック機構が付いています。「ライブディオ」(AF34型、AF35型)でも同じ。
シートを開けると見える黄色レバーで操作します。センタースタンドが解除できない原因はほとんどのケースでこれが原因です。盗難防止用。これとハンドルロックの併用により、ひきづって盗む犯行が大変困難になりました。その反面、鍵を無くされて当社などに車体引き取りをご依頼の時、トラックに積み込むのがとても大変なので、できましたら鍵は無くさないでくださると非常にありがたいです。
【補足2】
上にも書きましたがAF35には「無印」「SR」「ZX」があります。その超おおざっぱな見分け方を説明します。
まず、このAF35型が新車販売されていた最中、1999年に新排ガス規制法が施行され、これが施行される前と後で作られたエンジン仕様が少し異なっています。外観で違いを見分けるとしたらマフラー形状。
つんつるてんなのが規制前型
ハチの巣みたいにポコポコ穴あいてるのが規制後型
この違いを知ってもらった上で、規制前のモデルが「SR」、規制後のが「無印」、それに関係なくリヤウイングが付いたのが「ZX」です。
最も多いSR
SRやZXより後に登場した「無印」
リヤのウイングやロゴが特徴的なZX
ただし、発売から相当年数が経っており、マフラーなどは消耗品な為、安いのを付けなおしてる個体も多く、規制前でも後でもマフラー含めてほとんどのパーツが流用ポン付け可能な為、もはや外観での見分け方はほとんど不可能になっています。特にZX関連では、ホンダ純正「以外」の新品パーツが今でも豊富に販売されています。他のAF35型やAF34型をZXのような外見に改造するパーツが、主に中国製が安く入手可能なので、いわゆる「なんちゃってZX」として、新車みたいに綺麗な個体が、今でも数多く出回っています。
正規のZXの個体数は、他の「SR」や「無印」よりも少ないはずなのですが、実際引き取るAF35型の半数以上がZX仕様です。他に車台番号やエンジン番号、車種コードシールで見分ける方法もあるのですが、エンジンも、車種コードが貼ってるボックスも、車台番号が刻印されてるフレームすらも取り換えられてる事例が多くあって、本物を探すのは極めて困難なのが実情です。
ちなみにエンジン番号は、こちら(下写真の黄色枠部分)に刻印されています。AF34E-OOOOOOO
車種コードシールはシートボックス内の前方に貼られています。
私個人としては、エンジンとCDIがZXならそれはもうZXと呼んで良いと思うのですが、バイヤーは納得してくれません。買い取り前提だった時代では、ZXかどうかで買い取り価格がかなり違ったので、それこそメーカー問い合わせて車台番号とエンジン番号、車種コードをそれぞれ確認していたのですが、今ではZXでもあまり買い取りできないほど相場が下がってしまったので、特に重要項目ではなくなりました…。
でも、今でも多く回収するモデルの1つです。
今日の回収事例
長崎市と鳥栖市で引き取り依頼をこなしました。
奥からAF35なんちゃってZX、CA45Aレッツ4。ナンバープレートの手続きは、いずれもご依頼主様が済まされていました。レッツ4の方は勤務先での引き取りでした。大変お忙しい中で立ち会い頂くことになっていましたので、挨拶もそこそこ、書類も最小限、全部で30秒で終わらせました…のはずだったのですが、シート中身の確認を忘れてしまい2度手間で会社から出てきてもらう羽目に。慌てるとダメな性分がもろに出ました。