火花確認の仕方

今日は久々に修理ネタを1つ。

5日ほど前に、近所の方から「スクーターのエンジンかからなくなったのよ」と相談を受けました。

「いつ取り掛かれるか分からないですから、他のバイク屋さんを…」

「急ぎじゃないから。いつでも良いの。暇なとき来て。」

「スクーターのエンジンでしたね。最悪2週間お預かりするかもしれませんよ?」

「全然構わない。その間は違うバイク使うから。」

とのことで、暇なとき取りに行くことになっていました。

当社は一応バイク屋なのですが、今は人手が足りずほとんど貿易主体です。昼間はスタッフ全員引き取りや買い取りに出回っていて、一般の方の修理のご依頼はほとんど対応できないのが現状です。どんなに簡単な内容でも、暇な時期でも1週間、年度末とか酷い時は1か月間お待たせしなければならないことがあります。なので、飛び込み修理のご依頼は内容聞く前から一応お断りしております。ごめんなさい。でも、お時間が頂けるのでしたら話は別です。

今日は少しまとまった時間が取れる予定だったので、昨夜のうちにバイクを引き取っていました。モノはSA36Jジョグ。水冷4ストエンジン搭載です。

まず、キックでクランキングしてみましたが、変な感触も異音もなし。次に写真のように別のバッテリーを直結してみました。昨夜の段階でバッテリーが激しく弱っていたので、搭載してたバッテリーは充電中です。で、写真のように外部バッテリーつかって強制クランキング。良い音がします。少なくとも焼き付きとか圧縮抜けとかではない模様。

ここで、おさらい。エンジンがかかるようになるための大事な要素は3つ、①良い混合気、②良い火花、③良い排気、です。かからないときは①~③のどれかが原因であることがほとんどです。

先の強制クランキング時に③の排気はだいたい確認済。①の良い混合気というのは空気、ガソリン、その吸い込み圧縮とかいろんな要素が混ざっていますが、先のクランキングで少なくとも圧縮は良好なのを確認済、またSA36JはFI仕様なのでガソリンはあんまり心配しないで良い、エアフィルターも確認しました。となると、一番可能性高いのは②の「良い火花」です。

良い火花と悪い火花の見分け方は経験を積む必要がありますが、でも火花が飛んでるかどうかの確認でしたら誰でも簡単にできます。確認の仕方は

「プラグコードを外す→プラグを抜く→抜いたプラグを再びプラグコードに嵌めて、その状態でプラグ電極をエンジンブロックに接触させてクランキングする。」です。

文字で読むと分かりにくいかもです。でもご安心ください。今回これを説明するためにとっっても分かりやすいイラストをご用意しました!

 

 

分かりやすいでしょう!?(涙目)

「抜いたプラグを再びプラグコードに嵌めて、その状態でプラグ電極をエンジンブロックに接触させてクランキングする。」の図です。

はい、分かりましたね。(威圧)

で、実際それを撮影した様子がこちら。

バチバチ光ってるのが火花です。これが弱い光だったり、間隔が長かったりとかだとダメですが、この程度ならOKです。

実はこの撮影は修理後の様子です。この前段階、最初の試しの段階では全く光りませんでした。つまりこのように火花が飛ばなかったので、火花飛ばない→電装系がおかしい→プラグ確認→プラグコード確認→CDI確認→タイミングコイル確認、と電気信号の流れを手繰っていって、火花が飛ばない原因の特定をしました。

で、今回の原因はプラグコードでした。付属のコイルが途中で断線していたのか、必要な電圧が作れない状態でした。別のヤマハ車から引っ張ってきたプラグコードと交換したら、ご覧の様にバチバチ元気な火花が出てきたので撮影したものです。結局、今回エンジンがかからない原因はこれでした。

なお、先に述べた「火花が飛んでるか確認する方法」を、プラグやプラグコードを手で持って支える場合は、クランキングすると何万ボルトもの電気が体内にくることがあって大変危ないですので、

覚悟してやって下さい。(自己責任で♡)

 

修理以外では、今日は福岡市と大野城市で引き取り依頼をこなしました。

左から3KJジョグ、JF04スペーシー、CZ41Aチョイノリ。いずれもエンジン不動。ジョグはナンバープレートの手続きも同時に承りました。後日、廃車証明書を郵送させて頂きます。