ヤマハの新聞配達用ギアなんだけど、サイドスタンドかけて離れたら勝手に動き出して転倒してしまう。何とかならないか?
というご相談を、3月ぐらいに頂いてました。3月中は引き取り業務で忙しく、他の仕事に全く手が付けられず。「他のバイク屋さんにご相談を…」とやんわりお断りしてたのですが、先日再び連絡があり。引き取りの方がひと段落付いたところだったので、ダメもとで引き受けることになりました。
ヤマハUA06Jニュースギア。新聞配達用に特化したスクーターです。サイドスタンドが反対側になってて見えませんが、普通のスクーターより大型のしっかりした奴がついています。さらに、このサイドスタンドがかかってる時は、エンジン回転数がアイドリングに固定されるよう、リミッターが付いています。なので、エンジンかけっぱなしで離れても大丈夫、な、はずなのですが…。
特にエンジンふかしてるわけでない、アイドリング状態なのに、リヤタイヤが勝手に回りだしてます。多分、クラッチの問題。シューバネが1個ぐらい飛んでるか、それともクラッチ自体の寿命かを疑いたいところ。といっても、強いトルクがかかってるわけではない。手で触れたら止まる程度の、緩い回転です。センスタ立ててるので空転しますけど、サイドスタンドで立ててる時だと、自重に抑えられて回転しませんでした。普通のスクーターならば、あまり問題にならないようなレベルかと思いますが、新聞配達用となると、エンジンかけたままサイドスタンドがけを多用しますし、常に平坦な道で停めるわけでもない以上、緩いトルクでも許容できないものになります。
ということで、キックケースあけて再度確認してみます。
カタカタ音が聞こえます。バネが1個変形してアウターにあたってました。
「やっぱりバネが原因だわ」
で、手持ちの別クラッチと交換してチェックしました。でも、カタカタ音は消えたけど、やはりタイヤは回ります。
「???なんで?」
クラッチでないなら、プーリーかWローラーかも。可能性は薄いですが手当たり次第交換してみました。しかし変化なし。
「???もう交換するところないぞ?」
困り果ててたところ、ふと見ると、ベルトが社外品になってることに気付きました。
「あれ?このベルト太くね?」
左が別のギアから取り外したベルト。ノーマルの幅は17mm強です。右が今回のギアから取り外したベルト。18mmもあります。
17mmのベルトに取り換えてみました。
タイヤが微動だにしません。
これが原因でしたかorz
ベルトは消耗品です。走行距離が増えるにつれてゴムが削れて細くなっていく。(太くなることはありません。)で、いずれ限界がきますので、だいたい数千キロ毎に交換します。少々値の張る部品ですから、社外品も数多く出回っています。純正品は当然ですが新車時に付いていたベルトと同じサイズです。ただ、社外品ですと、より長持ちさせるために予め太く作られてる傾向があります。普通のスクーターなら、それでも問題ないレベルなんですけど、ギアのようなサイドスタンドを多用するスクーターには注意が必要、という教訓でした。
今日の回収事例
福岡市と糸島市に行ってきました。
左からCJ43Aスカイウェイブ、AF24ジョルノ。いずれもエンジン不動。廃車手続きはいずれもご依頼主様が先月してしまったとのことで、車体引取のみでした。
4月前半は先月末の取り残し分を回収して周るので、やや混雑状態が続きます。後半になるにつれて空いてくるので、ご希望の時間帯にお伺いできると思います。ただ、ゴールデンウィークが近づいてくると、帰省で戻られる方からの連休中のご予約が急増したりします。昔乗ってたバイクがまだご実家に放置されてる方などいらっしゃいましたら、是非この機会にご利用ください。当社、福岡、長崎、大分、佐賀全エリア対象です。