ヤマハSA26J「Vino(ビーノ)」(3型)

モデル概要

ヤマハのファッションスクーター、ビーノシリーズの3代目になります。ヤマハとしては4サイクルエンジンを搭載した初の汎用スクーター。発売は2004年から。

ビーノシリーズはその丸っこいシルエットが若い女性層に大変うけていて、97年登場以来、安定してシェアを増やしています。ただ、やはり実用性よりデザイン性を重視してる面もあって、1代目5AUビーノや2代目SA10Jビーノでは、特にレグシールドやリヤフェンダーなどが、少しの接触ですぐ破損してしまう弱点がありました。3代目SA26Jビーノでは、その弱点をPP樹脂などで補強することにより克服。ファッションスクーターの意味を「見栄えは良いけど脆いバイク」から「見栄えが良いバイク」に代替しました。

車台番号はこちら。
乗った状態で足のスネの前方、中央に長方形の蓋があります。この蓋をマイナスドライバーなどでこじ開けると見える位置、フレームに刻印されています。SA26J-OOOOOO。車名:ヤマハ、型式BA-SA26J、原動機型式:A304E。排気量:49cc。

【補足1】ヤマハ最初のスクーター用4サイクルエンジン A304E
ヤマハが初の4ストスクーター車として選んだのは、基幹シリーズの「ジョグ」ではなく派生の「ビーノ」でした。ビーノを充ててきたのは、公式には「ビーノはその愛らしいシルエットのおかげで若い方に支持されており、安定して売れるので、新技術を導入しやすかった」とのことですが、意訳すると、「稼ぎ頭のジョグで冒険はできない」というところじゃなかったのかなと邪推しています。しかしヤマハ最初の4サイクルエンジンとなるA304Eは、はっきり言って良いエンジンです。水冷SOHC3バルブ形式を採用。同年代の他社エンジンAF55EやA404と比較してよく回ります。構造が複雑な分、コスト高なのは仕方ないのですが、2スト車から4スト車への移行期、2スト車のパワーを懐かしんでた層を充分満足させ得る出力を誇ります。耐久性も良い。

発売から10年以上経つモデルですので、引き取り事例も大変多いです。クラッチの変形やファイナルベアリングの破損、冷却水系の漏れなどはあるものの、カーボン噛みとかクランクベアリング破断とかエンジンがかからなくなるような致命的なトラブルを持つ個体は少ないように感じます。

【補足2】カウルについて
上ではPP樹脂の多用を褒めましたが、ちょっと不満もあります。乗ってないと途端にカビが生える点が不満。どうも紫外線劣化?が早すぎる気がします。ヒビ目からカビが生える模様。カラーリングで白い系のPP樹脂が特に目立つ。転がる石には何とやらで、使ってる間はカビとか生えないのですが、私の引き取り事例は大抵が「少し長い期間放置した後」であることが多いせいか、10台引き取りして7-8台はカビ生えてる気がします。

今日の事例

今日は北九州エリアに行ってきました。
左からAF58ズーマー、今日ご紹介のSA26Jビーノ、AF61トゥデイ。いずれもエンジン不動。ビーノとトゥデイはナンバープレートの手続きも承りました。

毎年2月は、卒業やお引越しシーズンにともない、ご依頼数も飛躍的に伸びる時期です。4月1日が税金がかかるかどうかの基準日なため、3月はさらに多忙期になります。回収員も休みなしでフル稼働しているのですが、2月の後半からはそれでも手が足りない状況になってきます。特に土日はご希望の時間にお伺いできないこともしばしば。今年度中のバイクの処分をお考えの方は、是非お早めにご依頼下さい。