ホンダAF56「Dio(ディオ)」(4型)

モデル概要

ホンダのスクーター、ディオシリーズの4代目、通称「スマートディオ」。その中で、フロントブレーキがドラム仕様のものがこのAF56型になります。発売は2001年から。

厳しくなった排ガス規制基準やより高い燃費要求をクリアするために、ディオシリーズもこのモデルから4サイクルエンジンを採用するようになりました。先代のAF34ライブディオと比較して燃費性能が1.5倍以上も向上しています。おまけにAF56型は水冷方式採用でエンジン音も超静か。振動も大変少なく、乗り心地良いバイクになりました。

反面、先代にくらべ馬力が大幅減してしまったため、信号ダッシュとか坂道登坂とか、パワーを要求される場面ではやはり力不足。従来の2ストエンジン車に乗り慣れたユーザーほど物足りなさを感じたようで、このモデルが出た当初は、新車を売って中古の2スト車に買い替える流れが少し続きました。

車台番号はこちら。

燃料キャップ蓋の隣のカバーを開けて

あいた部分を上からのぞき込むと、

手前側のフレーム上面(赤い丸部分)に刻印されています。アルミ腐食粉で見えつらい時がありますので真鍮ブラシなどでこすってみてください。AF56-OOOOOOO。車名:ホンダ、型式BA-AF56、原動機型式:AF55E、排気量:49cc。

【補足1】定期的にオイル交換をしましょう。

原付スクーターも2ストエンジンから4ストエンジンに移行してもう15年以上経ちました。今でこそ「定期的にオイル交換しないと壊れる」という認識が浸透しましたが、このAF56型含めて4スト車が出始めた頃は、酷いモノでした。かつての2スト車の感覚=「オイル警告灯が点灯するまで何もしなくて大丈夫」という認識のユーザーが大変多く、特にバイクは原付しか乗ったことないという方はほとんど全員がそんな感じでした。おかげでエンジン焼き付いて処分される方が続出し、走行距離のわりにエンジン駄目になってる個体の引き取りが多くなった過去があります。バイクの4スト車には「オイル警告灯」は付いていません。ユーザーさまで走行距離を管理し、2~3000km毎に一回オイル交換をする必要があります。

【補足2】ACGスターター

スマートディオが搭載するエンジンAF55EはACGスターターが使われています。ACGとは交流発電機(AC Generator)の略。どんなバイクでもエンジン動かしたりライト点灯させるために電気が必要なので、必ずACGが付いているのですけど、AF55EのACGはちょっと特殊な形状をしているおかげで、普通の発電機としての役目と、エンジン停止時は逆方向に電気ながすことによってクランクシャフトを回転させるモーター(スターター)としての役目と、両方をこなすことができます。なのでACGスターターと呼ばれています。この方式では普通のセルスターターのようにギヤの飛び込み音やかみ合い音が発生しないので、始動音も大変静かです。おかげでAF55Eエンジンは、かかってるのか止まってるのか分からない、最初から最後まで静かなエンジンになっています。

【補足3】

写真は別モデルのモノ

AF56型には、センタースタンドロック機構が付いています。

シートを開けると見える黄色レバーで操作します。センタースタンドが解除できない原因はほとんどのケースでこれが原因です。盗難防止用。これとハンドルロックの併用により、ひきづって盗む犯行が大変困難になりました。その反面、鍵を無くされて当社などに車体引き取りをご依頼の時、トラックに積み込むのがとても大変なので、できましたら鍵は無くさないでくださると非常にありがたいです。

今日の事例

今日は夕方に新宮町で引き取り依頼をこなしました。

AF56ディオでした。ナンバープレートの手続きはご依頼主様ご自身で既に済まされていました。

昨日も同じAF56型を引き取りしたので今日改めてご紹介させて頂きました。よく回収するモデルの1つです。