部品取り車とバラバラ車の違い

当社の無料回収対象は、

  • 日本製バイクでしたらどんなモデルであろうと、如何に古かろうと、全部大丈夫です。
  • エンジンかからない、鍵がない、外装やフレームに傷がある・割れてる、シートが破れてる、ブレーキが固着して動かせない、など考慮しなくて大丈夫です。事故車もOK。
  • 駄目なのは、そもそもバイクの形をしてない部品取り車とか、動かせば崩壊しそうなほどサビサビになってる水没車だけ。

です。

ご家庭で普通に使われてたバイクでしたら99%、もうほぼ全部大丈夫なはずです。

とはいえ、「部品取り車はダメ」なんて書いてるものですから、ご依頼時に「部品取り車とはどんなのか?」と質問される方もいらっしゃいます。ちなみに、部品取り車はダメですけど、バラバラ車はOKです。

そこで今日は、部品取り車とバラバラ車との違いをご説明したいと思います。

まず、乱暴に定義付けすると、「バラバラ車は修理してる途中で外装や内部機構を取り外した車体。部品取り車は修理を断念して外装や内部機構を予備パーツとしてしまった車体。」です。

両者はバラバラになってるという点で共通していますが、修理してる途中か断念して放置されたか、という点で異なります。

「修理してる途中か断念したかなんて、その人のやる気次第じゃないか。」

と思われるかもしれません。ですが、実際に、両者には明確な差が出ます。それは外したパーツと本体、双方の保管状態です。

まずはバラバラ車の具体例です。

こちらはRA01JヤマハRZ。いくつかパーツが無い状態ですが、残ってたパーツも本体も屋内保管されてました。そして、エンジン吸気口に異物混入防止用のシールはもちろんのこと、ネジ穴は全て、油塗りされてるか外したネジを仮止めしてるかして錆び対策を徹底しています。こちらは昨日引き取りしました。

次は部品取り車の具体例です。

こちらはAF34ライブディオ。写真には写っていませんが、外したエンジンやメーターなど他のパーツは他の場所に保管されて全て揃っていました。組み上げれば完全品が一台完成します。ですが本体側は雨ざらしでネジ穴が潰れてしまい、組み上げは実質不可能な状態。せっかく立ち会い頂きましたが引き取りは断念しました。

バイクを修理して再使用するにあたり、サビの状態はとても神経を使います。車と違ってバイクはバランスも悪く振動も大きい、「たかがフレーム1カ所折れただけで大けがに」繋がります。だから、そもそもの作りとして、バイクの特に内部フレームの防錆塗膜は、原付でさえも車と同等かそれより厚めに処置されています。ですがネジ穴までは範囲外、ここには何の対策も施されていません。というかできません。ネジが素直に入らないまでに錆びたり腐食したら、もうバイクの構成部品として使えないです。これが、「部品取り車」を「水没車」と同等に扱っている理由です。

壊れたバイクを自分で修理しようというのは立派です。屋根の下でするのが望ましいですが、晴れてたら屋外でもどこでも良いと思います。ですが、パーツを外したらその日のうちに元に戻す、またはネジ穴に油塗るを徹底できないなら何もしない方がマシです。

外装外して、壊れた個所を調べてみて、ああ自分には修理無理だわ、と思われたなら、仮組でも良いのでその日のうちにネジ穴塞いで、早めにバイク屋に修理依頼したり、あるいは当社へ処分依頼下さい。