ホンダAF34「Dio(ディオ)」(3型)

モデル概要

ホンダのスクーター、ディオシリーズの3代目、通称「ライブディオ」。その中で、フロントブレーキがドラム仕様のものがこのAF34型になります。空冷2サイクルエンジンを搭載。単一のモデルとしては日本で最も売れたスクーターでした。今でこそAF61トゥデイにその座を譲りましたが、発売から20年以上経ってなお、今でもよく回収するモデルです。

車台番号はこちら。

乗った状態で左側。ステップ(足を載せるボード)よりも下、アンダーガード側面に小さい小窓があって、そこから覗いてるプレート部分に刻印されています。AF34-OOOOOOO。車名:ホンダ、型式A-AF34(規制前)またはBA-AF34(規制後)、原動機型式:AF34E、排気量:49cc。

【補足1】クランクベアリングが弱点

初代や2代目のエンジンAF18Eから設計を一新。シリンダーを水平に配置したAF34Eを搭載。これによりメットインボックスの底面をフラット化することに成功。また吸気経路をストレート化したことによって吸排気効率を向上させることもできました。ただ、クランクシャフトを支える大ベアリングを幅細く大口径化したことで、前作エンジンより耐久性が劣る結果に。原付として普通に乗ってれば問題ないのですが、時速50km以上を多用する乗り方をしてた個体ほどベアリング破損しやすい模様。引き取り事例でも若い男性がユーザーだった個体ほど、ベアリング異音してる事例が多いです。

【補足2】

ホンダスクーターはAF30タクト以降の2ストスクーターには、センタースタンドロック機構が付いています。「ライブディオ」(AF34型、AF35型)でも同じ。

シートを開けると見える黄色レバーで操作します。センタースタンドが解除できない原因はほとんどのケースでこれが原因です。盗難防止用。これとハンドルロックの併用により、ひきづって盗む犯行が大変困難になりました。その反面、鍵を無くされて当社などに車体引き取りをご依頼の時、トラックに積み込むのがとても大変なので、できましたら鍵は無くさないでくださると非常にありがたいです。

【補足3】

①カウル形状変更による分類

AF34型には、カウルの適合性として「前期型」「中期型」「後期型」が存在します。

前期型は上の写真です。フロントフォークが銀色です。

下は中期型


ヘッドライトの形状変更とそれにともないマスクも若干変更されています。フロントフォークも中期以降は黒色に変更。

こちらは後期型。シャッターキー装備型になり、メインキーでシートの開閉操作ができる仕様になったため、ボディにシートキー付けるための穴がなくなりました。

②エンジン仕様変更による分類

AF34型が新車販売されていた最中、1999年に新排ガス規制法が施行され、これが施行される前と後で作られたエンジン仕様が少し異なっています。外観で違いを見分けるとしたらマフラー形状。つんつるてんなのが規制前型(A-AF34)、ハチの巣みたいにポコポコ穴あいてるのが規制後型(BA-AF34)。ただし、発売から相当年数が経っており、マフラーなどは消耗品な為、安いのを付けなおしてる個体も多く、規制前でも後でもマフラー含めてほとんどのパーツが流用ポン付け可能な為、もはや外観での見分け方はほとんど不可能になっています。

【補足4】

ちょっと特異な形状をした「チェスタ」もAF34型の仲間です。

ヘッドライトとウインカーをフロント下部に配置して、大型固定カゴとインナーボックスを追加装備したモデルです。「Cesta」のロゴが付いてチェスタと読みます。モノが積めるようにしたお手軽スクーターとして販売、主婦層を狙った形。余談ですが、中身は全く同じAF34Eエンジンなのに、チェスタでクランクベアリング音がしてた回収事例は少ないです。これの引き取り依頼は女性が多く、ここら辺が耐久性は乗り手に左右される説の根拠になってます。

今日の事例

竹田市と由布市で引き取り依頼をこなしました。

手前からAF56ディオ、AF61トゥデイ、AF34ディオ。トゥデイはエンジン実働、ナンバープレートの手続きも承りました。

当初予定では今日は午前中に竹田市で2台回収するだけだったのですが、お昼頃、朝倉市まで戻ってきていた時に、由布市から新規依頼が入電し引き返して回収できました。このご依頼は「出先でエンジンが止まってしまい全く動かなくなったので現場に置いてきた」というケースでした。あと2,3時間入電が遅かったら後日に回してたところで、今回は非常にラッキーでした。